相談事例Q&A

未分割の場合の障害者控除の適用可否

[令和8年8月1日現在法令等]

Q. 質問

 被相続人乙の相続人は、丙・丁及び甲の3名であり、甲は相続開始時において障害者です。丙・丁及び甲は、相続税の申告期限までに遺産分割が確定しなかったため、民法の規定による法定相続分で相続税の申告を行う予定です。
 この場合、未分割であっても、甲について障害者控除の適用を受けることができますか。
 また、当該相続税の申告において甲に係る障害者控除の額は、甲の相続税額を超えることになりそうですが、その超える相続税額を甲の扶養義務者である丙・丁の相続税額から控除することはできますか。
 さらに、相続税の申告をした後に遺産分割が確定し、丙及び丁が相続財産を取得し、甲は相続財産を取得しないことになった場合には、当初申告で適用した障害者控除の取扱いはどのようになりますか。

A. 回答

 相続税の申告期限までに相続財産の分割協議が成立していないときは、各相続人などが民法に規定する相続分または包括遺贈の割合に従って財産を取得したものとして相続税の計算をし、申告と納税をすることになります。
 この場合に、障害者控除の適用の可否については、障害者控除は配偶者の税額軽減のように未分割の場合には適用ができない旨の規定がないことから、未分割であっても障害者控除の適用を受けることはできます。したがって今回の事例では、他の要件を満たせば、甲について障害者控除の適用を受けることができます。
 そして、甲に係る障害者控除の額が甲の相続税額を超える場合には、その超える部分の金額は、甲の扶養義務者である丙・丁の相続税額から控除することができます。控除を受けることができる金額は、未分割の場合には、扶養義務者である丙・丁の算出相続税額の比で按分し計算した金額になります。
 相続税の申告後に遺産分割が成立し、甲が相続財産を取得しないことになった場合には、障害者控除の適用要件を満たさないことになります。そのため、相続人丙・丁は、当初申告で適用した障害者控除について、確定した税額を基に、修正申告又は更正の請求により手続きを行うことになります。

参考条文等

相続税法第19条の2第2項、第19条の4、第55条                                                                 相続税法施行令第4条の3、第4条の4第3項


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