完全子法人株式等に係る配当等について、源泉徴収義務が免除されるか
[令和8年8月1日現在法令等]
Q. 質問
当社は数年前よりA社に発行済株式の60%を保有されています。先日定時株主総会で1,000万円の配当決議を行いました。
これから株主に配当金を支払いますが、当社の親会社のA社に600万円から20.42%の源泉徴収をして振り込む必要がありますか。
A. 回答
貴社はA社に発行済株式の60%を保有されているとのことなので、関連法人株式等の配当金となり、貴社において源泉徴収義務が免除されますので、600万円全額を支払うことになります。
法人が利益又は剰余金の配当をするときは、原則として所得税を源泉徴収する必要があります。しかし、令和4年度税制改正により、事業者等の負担を軽減する観点から、以下の株式等に係る配当等については所得税を課さないこととされ、令和5年10月1日以降、(内国)法人間の配当に関するルールが大きく変更されました。
源泉徴収義務が免除される配当等は、以下のいずれかの株式等から受け取る配当金になります。
(1)完全子法人株式等(持株割合100%)
配当等の計算期間の全期間を通じて、配当等を支払う法人と受け取る法人の間に完全支配関係(100%グループ)がある場合の当該株式
(2)関連法人株式等(持株割合3分の1超)
配当の支払基準日において、配当を受け取る内国法人が、支払う法人の発行済株式等の3分の1超を直接保有している場合の当該株式
ちなみに、源泉徴収不要の判定は、配当支払基準日時点での保有割合(3分の1超か否か)で行われます。そのため、配当計算期間全体を通じた継続保有は不要です。
一方、法人税の計算上、受取配当金の益金不算入という制度がありますが、こちらの適用には計算期間全体を通じた継続保有が別途要件とされています。つまり、源泉徴収の免除と法人税の益金不算入は、判定基準が異なることになります。
上記の改正により、グループ企業間での配当に伴う源泉徴収の手間や、受領側での還付申告の負担が解消されました。
なお、源泉所得税の徴収が不要となる配当等については、支払調書の提出義務も同時に免除されますので、支払調書を提出する必要がありません。
参考条文等
法人税法23条第4項・第5項 法人税法施行令第22条第1項 所得税法第177条、第212条第3項 所得税法施行令第301条第2項 所得税法施行規則第83条第2項第5号
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