相談事例Q&A

中小企業向け・中堅企業向け賃上げ促進税制の適用可否

[令和8年8月1日現在法令等]

Q. 質問

 B社(資本金1億円)はA社(資本金5億円)グループの系列企業です。
 グループ系統図及び従業員数は次のとおりであり、AがB、C、D各社の株式を100%保有する関係にあります。

 B社の法人税の申告にあたり、賃上げ促進税制による税額控除を検討していますが、中小企業向けや中堅企業向けの制度を適用することは可能でしょうか。
 なお、A~D各社は青色申告の届出をしており、グループ通算制度の適用は受けていません。

A. 回答

1.中小企業向け制度の適用の可否
 中小企業向け制度の適用を受けることができません。
 中小企業向けの制度は、中小企業者又は農業協同組合等であれば、原則として平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において適用されますが、この場合の中小企業者とは、青色申告書を提出する次のいずれかに該当する法人(ただし、前3事業年度の所得金額の平均額が15億円を超える法人を除く)をいいます。
 (1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
  ただし、以下の法人は対象外となります。
 ① 同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円超の法人、資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除く)から2分の1以上の出資を受ける法人
 ② 2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人
 (2) 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人

 B社の場合、資本金の額が1億円以下の法人に該当しますが、資本金の額が1億円超(5億円)のA社による完全支配関係があるため、中小企業向け制度の適用を受けることができません。

2.中堅企業向け制度の適用の可否
 中堅企業向け制度の適用を受けることが可能です。
 中堅企業向けの制度は、青色申告書を提出する常時使用する従業員の数が2,000人以下の法人であれば、原則として令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において適用されますが、その法人及びその法人との間にその法人による支配関係がある他の法人の従業員数の合計数が10,000人を超える場合は除かれます。
 また、資本金の額又は出資金の額が10億円以上かつ常時使用する従業員数が1,000人以上の法人は、マルチステークホルダー方針の公表及びその旨の届出が必要となります。

 B社の場合は従業員数が2,000人以下(1,800人)であり、当該法人による支配関係がある他の法人が存在しないため、中堅企業向け制度の適用を受けることが可能です(親会社であるA社や兄弟会社であるC、D社の従業員は判定の対象となりません)。
 

参考条文等

租税特別措置法第42条の4第19項、第42条の12の5第1項・第2項・第4項                                             租税特別措置法施行令第27条の4第17項、第27条の12の5第1項・第2項


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