相談事例Q&A

離婚における財産分与

[令和7年4月1日現在法令等]

Q. 質問

 私は、離婚に伴い元配偶者に財産分与を行う予定です。財産分与は金銭での支払いのほかに、自宅家屋とその敷地を元配偶者に分与し、私はマンションを借りて新たな生活を始めようかと考えています。この場合、特に分与する側(私)において、留意すべき事項はありますか。

A. 回答

1.分与する側
(1)金銭による財産分与
 金銭により財産分与を行う部分については、特段の課税関係は生じません。
(2)金銭以外による財産分与
 財産分与の方法を金銭によらず、居住用財産などの資産によって行う場合には、分与する側において、その資産の譲渡があったものとして取扱われ、譲渡所得の課税関係が生じます。
(3)居住用財産を譲渡した場合の課税の特例
 個人が居住用財産を譲渡した場合には、譲渡所得から3,000万円の特別控除を受けることができます(以下「居住用財産の3,000万円の特別控除」という。)。
 また、居住用財産の所有期間が10年を超えているときには、本来15%とされる税率が10%とされる特例があります(以下「居住用財産の軽減税率」という。)。ただし、譲渡所得の金額が6,000万円を超える場合には、その超える部分の税率は15%とされます。上記の税率には復興特別所得税及び住民税は含まれていません。
 また、居住用財産の3,000万円の特別控除と居住用財産の軽減税率とは併用することが可能です。
(4)上記(3)に係る適用除外規定について
 居住用財産の3,000万円の特別控除及び居住用財産の軽減税率は、譲渡先が配偶者などである場合には適用されないことから、元配偶者への譲渡が「配偶者に対する譲渡」に該当するかどうか、すなわち適用除外となってしまうかどうかが、懸念されるところです。
 この点については、離婚に伴う財産分与は、すでに離婚によって夫婦関係が終了した後に行われるものであるため、この「配偶者に対する譲渡」には該当しないものとされています。

2.分与を受ける側
 財産分与は、協議上の離婚であるか、裁判上の離婚によるものであるかを問わず、財産分与としての金額が社会通念上合理的な範囲内である限り、贈与税の課税対象とはなりません。
(1)分与財産の取得費
 分与を受けた者は、分与を受けた時の時価で土地や建物を取得したことになります。つまり、自宅の取得費は分与する側のものを引き継がず、財産分与時の時価となります。
(2)分与財産の取得時期
 分与を受けた資産を将来売却する際の、長期譲渡又は短期譲渡の判定は、財産分与を受けた日を基にすることになります。上記(1)と同様に、自宅の取得時期は分与する側のものを引き継がず、財産分与時のものとなります。

参考条文等

所得税法第33条                                                                             租税特別措置法第31条、第31条の3、第32条、第35条                                                        所得税基本通達33-1の4、33-9、38-6                                                           相続税法基本通達9-8                                                                     租税特別措置基本通達31の3-23


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