相談事例Q&A

固定資産を交換した場合

[令和8年8月1日現在法令等]

Q. 質問

 甲社は、所有する土地付建物を、隣接地で同種の事業を営む乙社の土地付建物と交換しました。両社は双方の物件を相互に等価であると合意し、交換差金の授受は行いませんでした。
 各物件の通常の取引価額(時価・税込み)は次のとおりです。
 ① 甲物件 土地 2億4,000万円/建物 1億円(合計3億4,000万円) 
 ② 乙物件 土地 2億6,000万円/建物 1億2,000万円(合計3億8,000万円)
 甲社と乙社は、双方が隣接して所有する土地を一体の整形地としてそれぞれ有効活用するため、長年の検討の結果として本交換に至りました。両社は協議のうえ、各物件の価額を相互に等価として差金なしで交換しています。この交換は、上記の事情に照らし、正常な取引条件に従って行われたものと認められます。
 この場合、消費税の課税標準はどのように計算しますか。また、法人税法第50条の交換特例の適用がある場合、消費税について特例はありますか。

A. 回答

 資産の交換は資産の譲渡に該当します。
 消費税の課税標準については次のとおりです。
 時価では甲物件3億4,000万円・乙物件3億8,000万円と差がありますが、当事者が各物件の価額を相互に等価と定め、その交換が交換に至った事情に照らし正常な取引条件に従って行われたものと認められるため、基本通達10-1-8により、これらの資産の価額は当事者間で合意された価額によることになります。
 仮に、両社が合意価額を中間的な各3億6,000万円と定め、その内訳を合理的に区分したものとして計算します。
 甲社(甲物件を引き渡す)の場合、合意価額3億6,000万円のうち建物価額を税込み1億800万円、土地価額を2億5,200万円と合理的に区分したとすると、
 課税資産である建物の譲渡対価の額は税込み1億800万円となり、
 課税標準は98,181,818円(1億800万円×100/110)となります。
 乙社(乙物件を引き渡す)の場合、合意価額3億6,000万円のうち建物価額を税込み1億1,000万円、土地価額を2億5,000万円と合理的に区分したとすると、
 課税資産である建物の譲渡対価の額は税込み1億1,000万円となり、
 課税標準は1億円(1億1,000万円×100/110)となります。
 なお、課税仕入れについては次のとおりです。
 甲社が交換により取得した建物(乙物件の建物)の課税仕入れに係る支払対価の額は、契約書に明示された合意価額である税込み1億1,000万円となります。一方、乙社が取得した建物(甲物件の建物)の課税仕入れに係る支払対価の額は、同じく契約書に明示された税込み1億800万円となります。
 また、消費税には法人税のような交換特例(法人税法第50条)は存在せず、交換は通常の資産の譲渡として課税対象となる点に留意が必要です。

参考条文等

法人税法第50条                                                                         消費税法第28条第1項                                                                     消費税法施行令第45条第2項4号                                                                  消費税法基本通達5-2-1、10-1-8


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