譲渡所得の特別控除と合計所得金額
[令和8年8月1日現在法令等]
Q. 質問
会社で年末調整を行いました。給与所得の他に居住用財産の売却により譲渡所得1,500万円が発生していますが「居住用財産を売却した場合の3,000万円の特別控除の特例」を適用することで、結果として譲渡所得は0円となります。
確定申告では、年末調整がされた給与所得と譲渡所得が0円で計算されているため、「納める税金」の額は0円になると思っていたのですが、税額が発生してしまいました。これは何が原因でしょうか。
なお、会社の年末調整の際、基礎控除申告書の「給与所得以外の所得の合計額」は、居住用財産を売却した場合の3,000万円の特別控除の特例を適用する見込みであったため0円としました。
A. 回答
年末調整の際、会社に提出する「基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書」の「給与所得以外の所得の合計額」に記載する金額が違っていたため、確定申告時に「納める税金」の額が発生したものと考えられます。
所得税の基礎控除や配偶者控除等の所得控除額は、本人の「合計所得金額」に基づいて計算をします。合計所得金額とは、下記1.2.の合計額に退職所得金額、山林所得金額を加算した金額です(申告分離課税の所得がある場合には、それらの所得金額(長(短)期譲渡所得については特別控除前の金額)の合計額を加算した金額です。)。
1.事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額)
2.総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の2分の1の金額の合計額
上述のとおり合計所得金額は譲渡所得の特別控除前の金額を加算した額となるため、給与所得の他に譲渡所得1,500万円を加算した額が本来の合計所得金額となります。これにより基礎控除の額や配偶者控除等の額が年末調整で計算された額よりも少なくなり、「納める税金」の額が発生したものと考えられます。
参考条文等
所得税法第2条第1項第30号、第33条、第83条、第83条の2、第86条 租税特別措置法第35条 租税特別措置法施行令第23条
税務相談室



