相談事例Q&A

年の中途で売却した建物の減価償却

[令和7年4月1日現在法令等]

Q. 質問

 本年3月に賃貸アパートを売却しました。建物の減価償却は3月まで行う必要がありますか。売却した年の減価償却はしなくてよいと聞いたのですが本当ですか。

A. 回答

(1) 原則的な計算
 所得税法49条において減価償却は「その年12月31日において有する減価償却資産につき償却する」旨が書かれています。つまり3月に売却したこのアパートは、その年12月31日において所有していないので、本年は原則として減価償却しなくて良いことになります。
(2) 減価償却しても差し支えない
 売却日までは所有していたのだから、売却日までの期間の減価償却をしないと、なんとなくしっくりこないという人もいるでしょう。そこで所得税基本通達49-54では「当該譲渡の時における償却費の額を譲渡所得の計算上控除する取得費に含めないで、必要経費に算入しても差し支えないものとする」と書かれています(実務的には、この方法で計算することが多いようです)。
 上記(1)(2)は、本年3月までの償却費を、不動産所得の必要経費にするか、譲渡所得の取得費にするかの違いです。減価償却費として不動産所得の必要経費にすると、不動産所得は減りますが、譲渡所得は増えます。その逆もしかりで、表裏一体の関係です。「差し支えない」のだから、どちらの方法も間違いではありません。しかし不動産所得は累進課税、土地・建物の譲渡所得は分離課税であり、この二つは税率が異なります。総合課税における累進税率が、分離課税の税率より高い場合には、減価償却費を計上した方が計算上有利になります。

参考条文等

所得税法 第49条                                                              所得税基本通達 49-54                                                          


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