税理士事務所の事業承継 営業権譲渡に係る課税関係
[令和5年4月1日現在法令等]
Q. 質問
税理士事務所の事業承継について。親族後継者がいないため、税理士である職員に事務所を引継がせたいと考えています。営業権については、当該職員の長年の功労に報い、無償で譲渡したいと考えています。この場合、当該譲渡は、みなし贈与等の対象となりますか。
A. 回答
一身専属性の事業に係る営業権を無償譲渡した場合には、課税関係は生じません。 税理士等が、業務を他の税理士等に引き継いだ対価として受ける金銭等は、得意先のあっせんの対価として雑所得となります。しかし、営業権の評価について、一身専属性の事業に係る営業権で、その事業者の死亡と共に消滅するものは、評価しないこととなっています。したがって、当該営業権の譲渡が無償であった場合は、所得は発生せず、みなし贈与等の課税関係も生じません。なお、事業用資産を譲渡した場合には、譲渡所得となり、事業承継後に生じた必要経費については、当該事業承継年分(同年において当該所得等に係る総収入金額がなかった場合は、当該総収入金額があつた最近年分)、または、その前年分の事業所得の必要経費に算入することとなりますのでご留意ください。
参考条文等
所得税個別通達 昭42.7.27直審(所)47 財産評価通達 165 相続税法 第7条、第9条 所得税法 第63条
<税務相談室>
共催:日本税理士会連合会、公益財団法人日本税務研究センター
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