固定資産税又は個人事業税の賦課決定前に相続開始した場合、準確定申告における当該租税の必要経費算入の取扱い
[令和5年4月1日現在法令等]
Q. 質問
不動産所得(事業的規模)の納税者が令和6年1月15日に死亡し、相続人がその事業を承継しました。被相続人の準確定申告をしようと準備しているところです。 令和6年分固定資産税、個人事業税についてどのような取扱いになるのでしょうか。
A. 回答
賦課課税方式による租税の必要経費算入の時期は、原則として賦課決定によりその納付すべきことが具体的に確定したときとされています。よって、年の中途において納税者が死亡した場合、必要経費に算入できるのはその死亡時までにその納付すべきことが確定したものに限られることとなります。 ご質問の場合は、相続開始時に固定資産税及び個人事業税の賦課決定がされていないので、被相続人の準確定申告の所得金額の計算上、それらを必要経費に算入することはできないと考えます。これら租税は、その事業を承継した相続人の必要経費に算入することになります。なお、被相続人の事業を相続人が承継した場合には、被相続人の死亡により直ちに事業が廃止されたことにはならないので、所得税法第63条及び所得税基本通達37-7(事業を廃止した場合の事業税の見込み控除)の適用はないと考えます。 従って、被相続人にかかる事業税も、その事業を承継した相続人の必要経費に算入することになります。
参考条文等
所得税法 第37条 所得税基本通達 37-6 東京高裁平成9.3.24判決
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