相談事例Q&A

　当社では、税理士に対する顧問料を１年分前払いしました。短期前払費用として、支出時の損金に計上してよいでしょうか。

1、法人が翌期以降に行われる役務の提供に係る費用を支払った場合、一定の要件を満たす短期の前払の費用であれば、支払った日において、全額を損金の額に算入することが認められています。 一定の要件は次のようなものと考えられます。
①一定の契約に基づき、継続的に役務の提供を受けるための支出、いいかえれば、等質等量のサービスが契約期間中、継続的に提供されていること
②役務の対価としての支出であること 
③支払った事業年度に役務提供が開始していること 
④支払った日から１年以内に提供を受ける役務に係るものであること 
⑤翌期以降について時の経過に応じて費用化されるものであること 
⑥現実にその対価を支払っていること（未払でないこと） 
⑦継続適用すること 
2、質問の税理士の顧問料は、毎月等質等量の役務提供が継続的に提供されるとはいえませんので短期前払費用の適用はありません。 
3、参考までに、該当するものとして、土地建物の賃借料、工業所有権の利用料、 借入金の利子、信用保証料、保険料などが考えられます。　 
　また、該当しないと考えられるものとしては前払給料、弁護士の顧問料、テレビＣＭ料、前払金などでしょう。

法人税基本通達　２－２－１４