研究紀要「日税研論集」

研究紀要「日税研論集」 87号

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内容 組織再編税制の展開
発刊年月 2025年11月20日
定価 3,000円
賛助会員価格(特別会員) 2,100円
賛助会員価格(特別会員以外) 2,400円
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内容

「組織再編税制の展開

 日税研論集では組織再編税制に係わるものが既に3巻出版されている。3巻目は組織再編税制が創設された翌年の平成14年に出版されており、既に四半世紀近く経っている。ここに「組織再編税制の展開」というタイトルで、その全体像を浮き彫りにしつつ、今後の組織再編税制の方向性にも言及している。

 平成22年度税制改正で、グループ単体課税制度との絡みがあるが、完全支配関係での株式交換で現金対価があっても時価課税評価の対象外とされた。さらに平成29年度税制改正で、吸収合併及び株式交換の株式限定交付要件について、合併法人又は株式交換完全親法人が被合併法人又は株式交換完全子法人の発行株式の3分の2以上有する場合における、その他の株主に対して交付する対価を除外して、対価要件を判定することに見直され、株式交付限定要件の柔軟化が一気に進むこととなった。

   同年度の税制改正で、分割法人の支配法人が分割型分割で取得された分割承継法人について継続して所有することが適格要件とされ、分割法人株は継続所有が課されなくなり、支配継続要件の柔軟化が進むこととなった。そして、独立した分割承継法人を新設する分割型分割で、分割法人の支配関係のない一般株主が所有する分割承継法人株も、同様に支配関係のない株式であることが見込まれることとなった。このことは上記支配継続要件とは真逆の非支配継続要件が課され、かつ事業関連性要件が削除された。この手当はスピード感あるグループ再編を支援していくということであろう。ここで組織再編税制の3つの類型、すなわち完全支配関係、支配関係、共同事業関係にさらに非共同事業関係が追加されたことになった。

  令和3年度税制改正で株式交付税制が導入され、80%までの株式交換で税制適格と認められるようになった。事業承継との絡みで、ブランドやシステムを使うための出資を維持したいというオーナー経営者の強い要望があったとのことである。

  平成12年に政府税制調査会の示した「基本的考え方」では、課税の公平性を堅持していくことを明確に示されたが、現在では課税の中立性を通り越して企業支援、事業支援まで来ているのではないか。今後、組織再編税制はどのように誘導されて展開されていくのか。それでも堅持しなければならない原理、原則があるのか、その予測は容易でない。

研究にあたって 成道秀雄
第1章 組織再編税制の現代的課題(序説) 渡辺徹也
第2章 組織再編税制の変遷 坂本雅士 
第3章 組織再編成における資本等取引 鈴木一水
第4章 事業承継 成道秀雄
第5章 事業再生・事業支援 古田美保
第6章 非営利法人の組織再編成と法人税法上の取り扱い 尾上選哉
第7章 クロスボーダー組織再編成の税制 吉村政穂

第8章 合併・買収と分離(M&A&D)の会計 倉田幸路

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